その1の続きです。その1は下記。
2023.12.19(火)
昨夜遅くからユッケはほとんど動かなくなった。
いよいよのことを考えて、妻は仕事を休んで一日ついている。
誰もいない日中の自宅で一人ぼっちでは逝かせたくない。(カルビとサクラはいるけど)
夜、急にキッチンに走ってきて、トイレと勘違いしたのかオシッコをしてしまった。オシッコに関しては多分生まれて初めての粗相。16年以上、トイレ以外でオシッコしたことはなかった。
(枠外にしちゃうのは最近しばしばあったけど、全然違う場所で、というのは無かった)
飲食できなくなっての餓死はだんだん意識が混濁する、という話もあるので、そういうことなんだろうか。
2023.12.20(水)
来てしまったその日
たまに小刻みに肩が震えることはあったものの、机の上とソファーの上を自力で行き来していたのだが、日付が変わった頃から机の上で寝そべったまま動かなくなっていた。
朝方五時半過ぎ、急にウーン、ウーン、と今までにない鳴き方をし始めた。横で寝ずの番をしていた妻が私を起こしに来た。
いよいよかもしれない。
少し早いけど子どもたちも起こす。
目はしっかり開いている。
いつもより体温が少し低い気がする。
心臓の鼓動がいつもよりゆっくりになってる。
呼吸が少し荒い。
お腹が少し痙攣してるような動きをしているので優しく撫でる。
大丈夫だよ。みんな居るよ。落ち着いてね。
足がピーンと伸びてきた。
私がお腹を撫でた時にユッケがよくやったポーズ。
手を握って声を掛ける。
五年間の投薬生活よく頑張ったね。
しんどくないように好きなタイミングでね。
ありがとう。
お疲れ様。
痙攣が収まってきた。
落ち着いたのかな。
指先の感覚が変な感じになってきて自分の指先の鼓動なのかユッケの鼓動なのかわからない。
お腹に耳を当てても聞こえる鼓動はユッケのものか自分のものかわからない。
ああ…
お腹が動いてない
呼吸が止まってる
来てしまった。
2023.12.20 早朝05時48分 ユッケ永眠。
みんなが仕事や学校で家を出る前に調整したのか、というくらいのタイミング。
家族みんなで見送ることができた。
すごいなユッケ。頑張ってくれたね。
やらないといけないこと
ここ数日、数日以内に死ぬことを前提に動くということに非常に葛藤はあったものの、後悔なくきちんと見送りたいと言う思いから、きちんと準備はしてきた。
棺にするきれいな段ボール。
敷き詰めるタオル。
内臓の腐敗を遅らせるための保冷剤。
火葬と供養をお願いするところ。
棺や火葬時に使う枕や毛糸で編んだお花。
わかってはいても、死後硬直までの短時間の間に箱やらタオルやら保冷剤やら、悲しい中で用意するのは大変だと思う。
だから事前準備は本当に大事。
心づもりがあるかどうかだけでも全然違う。
死後硬直は30分ほどでもかなり始まっていた。
1時間後にはもう動かせないくらいに固くなっていたので、亡くなったら悲しみを堪えてやるべきことはきちんとやらないといけない。
参考までに、我が家は、
ホームセンターで買ってきた120サイズのきれいな段ボールに、ペット用トイレシートを敷き(体液漏れ対策)、クッションと体勢を整えやすくするために丸めた新聞紙を敷き詰め、ブランケットをしいてもう一度ペットシートを敷き、縫った枕をおいてユッケを安置した。
これくらいのサイズなら一般的な猫とお花やご飯、おもちゃなんかをちょうど置くことができるし、持ち手もついてたりすると運びやすくてなおよし。
新聞をとっていない家庭も増えたし、きれいで大きくてしっかりした段ボールなんてなかなか一般家庭にはないと思うので、事前準備しておいたほうが良いと思う。
下記は猫を見送った友人からもらっていた本。
その当時は『いやまだ早いだろ縁起でもないなオイ』って思ったけど、この本があって本当に助かった。
特に、子どもたちがスッと受け入れられて、その後の処理をテキパキとできたこと。
いよいよのタイミングでは子供たちへの説明やケアも必要なのだけど、なかなかタイミングも難しいし、うまく伝わるかも悩ましい。
この本は文章と漫画、説明図などで子供でも読みやすい構成になっている。
子供達はリビングの隅に置いてたこの本を勝手に読んでいたので、特に説明もなく、看取りできた。
子供たちも薄々と勘づいていた模様。
っていうか妻がもう全然隠せてなかったし…。
火葬とか
お葬式と火葬はもう依頼先を決めていた。
いざ亡くなってから一番バタバタするのがここだと思っていたので。
だって人の場合とは違って選択肢が無数にあるから。
ネットで『◯◯県 猫 火葬』とかで調べれば色々サイトがでてくるので、その中から良さそうなところをピックアップしておく。
おすすめのまとめサイトは下記2つ。
こういうまとめサイトの口コミは(食◯ログみたいに操作されてる可能性があるので)、完全に鵜呑みにはできないけど、ある程度は参考になる。
ここで3〜4つくらいに候補を絞れたらGoogleMAPで評価を確認。(こっちの評価と口コミが本命)
問題なければ第1希望、第2希望くらいを決めておくと良いと思う。混み具合や予約状況など、日程的な都合で第1希望とは折り合いがつかない可能性もあるので。
我が家は『お坊さんによる供養』『家族でお骨上げ』『自家用車での持ち込み』を条件に、下記のお寺にお願いした。
こちらの斎場(お寺)の「ともしび」プランで。
ご住職の読経と焼香など、簡単ながら人間と同様のお葬式を行ったあとで炉に入れて火葬。その後お骨上げをして骨壺で持ち帰るというプラン。
自家用車を条件に入れたのは、思い出に浸りたいし、家族で話すこといっぱいあるのに、よその車で運転手さんがいると落ち着かないから。
写真撮影禁止だったので何も残ってないけど、ちゃんと棺から出して仏様の前に安置して和尚さんが読経とお話をしてくれる。小規模ながら家族葬と同じような感じ。
読経とお別れが済んだらいよいよ火葬場に移動する。敷地内なので移動も楽。
火葬台の上に安置して自分たちでお花やお供えを周りにおいていく。
このとき、私の知る限り、ほぼ全ての火葬場で、ビニール、プラスチック、金属類は置くことができない。なので、ご飯を一緒に入れてあげるならポチ袋か布で作った袋などが必要になる(ジップロックじゃダメ)。枕を縫った布の余りで餌袋も用意していたので、そこにいつも食べていたご飯を入れる。
造花(ビニールとかプラ)も入れることができないので注意が必要。お花を入れたい場合は生花か折り紙、編み物等で。
当然お骨の写真なんかも無いわけですが、しっかりどこの骨がどの部位で、というところまで説明してくれて、家族で骨壺に。しっかり知識を持った人がやってくれるのは凄く嬉しい。
ユッケは闘病生活が長かったのに、すごくしっかり骨が残っていた。「この子はしっかり綺麗に骨が残ってますね」と係の人も言ってくれたが、温度管理もしっかり出来ているということだと思う。生焼けで骨に何かが残っていたりということも、焼き過ぎてボロボロになったりということも無く、本当に綺麗にしっかり骨だけが残っていた。
事後
人も大変だけど、残された猫のフォローをどうしたらいいのかが難しすぎる…。
めったに吐かないカルビが夜中に3箇所も嘔吐。
ユッケがいなくなった後からしょんぼりしてるし、普段そこまでアクティブじゃないのに、まるでユッケを探してるように色んなところをウロウロしてる。
見ていて辛い。
カルビは元々あんまり撫でたり抱っこされて喜ぶタイプじゃないのでどうケアしたものか…。
人は人で火葬が終わって自宅に御骨を安置して、一息ついたくらいの時はまだいいのだけど、お風呂に入ってさあ寝よう、というあたりでまずひと波来ると思う。寝るよーって声を掛けていたユッケがいないのだから。
次の日も全然関係ない動物を見たときとかに唐突に悲しみが襲ってくることもある。
とにかくまず体を休めること。
辛くても寝る。
ハードな運動をしたわけじゃないけど、目茶苦茶疲れてるはず。
体の不調はメンタル不調も誘発する。(逆もあるけど)
とにかく体に優しい食べ物を食べてよく寝る。
我々が悲しみに暮れたり体調を崩しては、ネコチャンも安心して逝けない。
我々がまずきちんと日常に戻ること。
それがなによりの供養。
この体験記が猫飼いの皆様のお役に立てば幸いです。
思い出しながら書いててまた泣きそうになった。
そろそろ1周忌。家族でゆっくりとユッケに思いを馳せる時間を作りたいと思います。
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